犯罪にあわれた被害者の遺児たちに幸せを
犯罪被害救援基金
当基金が発行している「ふれあい」に寄稿された奨学生・保護者等からのお便りの一部をここに紹介します。それぞれの方々が苦しみながらも前向きに頑張っておられる様子が赤裸々に伝えられております。ご一読いただければ幸甚です。
保護者
『一生懸命必死に育てて来ました』
いつも大変お世話になってます。本当に助かってます。ありがとうございます。
孫ももう4月から高校3年生になります。3年間はとても早く感じます。毎日弁当作りも頑張ってます。私達祖父母もすっかり年をとり、この先の孫が心配で考えると夜がなかなか寝れません。どうか孫が大学、成人するまでといつも思っています。
あれからもう15年もたって、あの頃はとにかく育てる事に一生懸命必死に育てて来ました。今はくどく何度も言うと逆に怒られます。今は、携帯ばかりで会話も少なくなり寂しくなりました。でもとにかく元気で毎日を過ごしたいと常に思ってます。
『遺影さえ飾っていません』
いつも私たち家族を支えて頂き、ありがとうございます。
娘を亡くして、初めのうちは月に一度は孫の様子を見に来てくださった子育て支援の方も担当が次々かわり、コロナ化も影響してか今は年月が経ち、連絡も途絶えてしまいました。でも私自身は今だに娘の写真を見ることができません。こうやって娘のことを書くだけで心臓がドキドキしてしまいます。孫には申し訳ないのですが遺影さえ飾っていないので顔も覚えていないと思います。孫も写真を見たいとは一度も言ったことがなく、そのままになっています。
孫は元気で明るく、やさしい子です。近頃は私よりたくさん食べるようになり、これから食費が大変だと思いつつ、成長を楽しみにしています。
これからもよろしくお願い致します。
卒業生
『心豊かで幸せでありますように』
「ふれあい」を叔母がいつも送ってきてくれて読ませてもらっています。
あれから17年。僕の人生は支えられてばかりでした。いまは少しでも家族を支え、力になれるようになりたいと思ってます。
叔母はいつも「何かあったら心にためずに電話でもメールでもしておいで。嬉しいことも悲しいこともどんなことでも受け止めるから。」と言います。でも病気したとか言うと、すぐに飛んできそうなので要注意ですけど(笑)。
叔母こそ大変な日々なのに僕を一番に優先する。そんな叔母を笑顔にしたいと思っています。
祖母には「お姉ちゃんの言うこときいてリハビリせんと。わがままばっかり言うてたらダメ!」と言ってます。毎回この言葉をいうので、祖母は「〇〇はいつも同じことしか言わない。」とブツブツ。でもこれが日課なのでお互い言いたいこと言って、電話を切る時は「また帰るから」と言うと「明日帰ってくる?いつ?」と嬉しそうに言ってくれる祖母。かわいいです。
祖父は昨年永眠しました。永眠する数日前、会いに行きました。祖父は「ごめんな。ごめん。ありがとう。」と声が出せないのに一生懸命伝えてくれました。僕は「僕こそありがとね。」と伝えるのがやっとでした。祖父は小学校の送迎をしてくれ、仕事にも連れてってくれました。いつもあたたかい眼差しで僕のやりたいことを後押ししてくれるそんな祖父でした。
また暖かい春がやってきます。これからも皆様の生活が心豊かで幸せでありますよう祈っています。
『仕事もプライベートも楽しみたい』
社会人3年目が終ろうとしていますが、体調崩すことなく元気にがんばっています。仕事は大変ですが自分の趣味を楽しむためにもこれからも一生懸命しようと思います!
また、先日から、ずっと一緒に住んでいた祖母と離れて暮らしていますが、プライベートでも環境が変わって、新しい生活を始めていました。
これからもいろいろなことがあると思いますが、仕事もプライベートも楽しみたいです。
卒業家庭
『パワーをもらっています』
いつも“ふれあい”の冊子が届くたびにパワーをもらっています。
大切な姉を失ってから、つらい日々、そして裁判も一緒に戦ってきた父が永眠しました。どんなに悲しくて苦しい日々でも父と歩んできた道。
“お父さん。お疲れ様。ありがとう。大好きだよ。”
来る年また私たちは苦しい日々と向きあっていきます。少しずつ、少しずつこれから自分たちの生活をどう守っていくのか話し合っています。
暗い話ばかりではないですよ。姉の子(甥)は私に幸せを運んできてくれてます。両親が入院して一人になる時間ができた時、甥が『少しこっちに来て身体を休めんさい。家にいたら、どうしても色々やってしまうから。退院したらまた仕事と介護の日々になる。こんな時はもうないよ。仕事調整して、気分転換においで。』と言ってくれました。どれだけ心が救われたか…。甥を育てて本当に良かった。守られる立場だった甥が、私を守る立場へと変わったんだな…と感じました。
私たち家族は、これから起こることに不安と恐怖があります。家族で支えあい、相談し、乗り越えていきます。
次回はもっといい報告ができるよう一日一日過ごして行きます。