犯罪にあわれた被害者の遺児たちに幸せを

犯罪被害救援基金

被害者等の声

 当基金が発行している「ふれあい」に寄稿された奨学生・保護者等からのお便りの一部をここに紹介します。それぞれの方々が苦しみながらも前向きに頑張っておられる様子が赤裸々に伝えられております。ご一読いただければ幸甚です。

奨学生

 『宣誓』

 

 中学を卒業し、高校へ入学しました。

 将来の夢である看護師に向け、日々努力していきたいです。 

 

 

 

『大学では』

 

 春から大学生になり、高校とは違う環境で勉強をして、たくさんの専門的な知識を身に付け、就職に役立つように濃い大学4年間にしていきたい。

卒業生

『頑張って生きていきます』

 

 この春、大学を卒業しました。

 7歳で母を亡くし、みんなの目が嫌でした。何気ない言葉に傷ついたことも何度もありました。でも、養護教諭、担任が毎日、朝夕と時間を作ってくださり、たわいのない話をしてくれました。小学校生活は楽しいようで苦しい日々でした。

 そんな日々の中、養護教諭との時間が僕の「中学受験合格」という目標ができました。叔母に「受験をしたい」と初めて自分の気持ちを言ったとき、とても勇気がいりました。お金もかかります。たくさん迷惑もかけてしまいます。でも打ち明けました。叔母と話し合いを重ね、受験をすることとなり、毎日必死に取り組みました。合格通知をもらったときは、先生方も大変喜んでくださり、うれしかった思い出があります。

中学、高校の6年間は充実していました。学校環境も変わり、毎日勉強勉強でしたが、それが自分にはよかったと思っています。母親代わりの叔母も毎日弁当を作ってくれ、塾が遅い日は迎えにも来てくれました。大学受験も関西、関東とついてきてくれました。普通の家庭なら当たり前なのかもしれない。でもそれをやってくれた叔母には感謝しています。

 叔母と喧嘩をしたことがあります。罵りあいもしました。「家族じゃない」と暴言を吐いたこともあります。でも最後は家族なんですよね。翌日には話をしていました。

 そんな叔母は仕事と父母の介護に追われ、突発性難聴にもなり時間の足りない毎日を送っています。人に頼ることをせず、自分で何とかしようする叔母が弱音を吐くことも多くなり、こんなだったかな?と思って怒ったこともあります。そうすると叔母は「そうだね。いままでこんなことなかったね。○○が大学生になって、頼れるようになったからかもしれないね。○○は大学生になって頼れる男になった」と言ってくれました。自分の時間を作れず、僕や祖父母のことをこれまで14年間やってきた叔母。そんな叔母に感謝してもしきれません。

 大学生活はコロナの影響でリモートが多く、ほとんど学校に通うことはありませんでした。サークル活動もできず、後悔も残っています。大学生活で一番頑張ったのは、キャンパスコレクション。キャンコレの運営に携わり、いろんな大学の仲間ができた。コロナで開催が危ぶまれながら大変だったけど、友達がたくさんでき、イベントを成功させ、それが就活への自信へ繋がりました。

 就活は思うようには進まないことばかりで落ち込むことも多々ありました。しかしインターンシップを通し自分のやりたいことを見つけることができました。面接もリモート。直接行かなくてもいい反面、自分の思いを十分に伝えるにはどうしたらいいのか思考錯誤をしました。

 現在、入社式を終え、先輩に教わり、仕事を覚えています。自分にあった職種。自分を高めることができる職場。頑張っていきたいです。

 母が亡くなってから今まで支えてくれた家族、先生、被害者支援センターの皆さん、犯罪被害救援基金の皆さん、恩返ししますなんて大きなことは言えません。でも「頑張って生きていきます。」それだけは約束します。

 『日々に感謝』

 

 私は33歳女性です。昨年7月に第三子を出産し、にぎやかで騒がしい日々を過ごしています。最近はもっぱら長男(6才)と次男(4才)のケンカの仲裁をして疲れております。

長女(0才)の世話をしながらだと上の子たちのメンタルケアなど充分に出来ず、子育ての悩みはつきません。特に長男は人よりも緊張しいで行事毎の際には身体が固まって動かしにくくなるなど親としてどのように子育てすれば良いのか試行錯誤の日々で不安におしつぶされそうになります。そんな中でも子ども達が折り紙に絵を描いてくれて「これママで‼」など笑顔で家族の顔を描いて持ってきてくれるとホッとして、嬉しくなります。

子育てをしていると自分の態度や言葉遣い、考え方と常に向き合っていかなければならず、自身のふがいなさに毎日反省しながら、真面目(ネガティブ?)に考えすぎる自分に対して「肩の力を抜いてー」や「あ〜また悪い方に考えてる‼」と自分の感情をコントロールしつつ趣味も大事に息抜きしながら子育てを楽しもうと思います。親がイライラしていたら子供もイライラしたり不安定になるし、逆もしかりで、親が穏やかだと子供もニコニコ笑顔で居られる。写し鏡のような存在だとつくづく思います。必死で子育てをしていると、親の態度が子どもに影響すると言われると「こっちは必死でやってるんや‼」親を苦しめたり悩ませる一言は無用だとも感じてしまいます。そんな愚痴も言いつつ、家族皆が欠けることなく生活していける日々に感謝しつつ生きていこうと思います。

 犯罪被害救援基金の方々や皆様にも感謝しています。どうか皆様健康で心穏やかな毎日を過ごせますようにお祈り申し上げます。

保護者

 『反抗期は大変です』

 

 いつもお世話になっております。毎年春になるとこの便りを書きながら主人のことを思っています。

主人が亡くなり、はや3年、あっという間の3年です。娘は中3で受験の年になり息子も中1です。毎回入学式だけは参加していた主人ですが、大きくなった子供たちの姿を見れずくやしい思いをしているでしょうね。4月は嫌いになりました。主人が亡くなった月なので…。娘も息子も嫌がることもありますが、なんとか学校には通っています。二人共が反抗期なので大変ですが、母は頑張ります‼あなたたちも反抗頑張って下さい!

『大空を泳ぐ鯉のように』

 

昨年より奨学金をいただく事になり、ありがたく思っております。本人ももうすぐ5歳になり、亡くなった母親の祖父母(72、76歳)である私達が育てております。2年後には小学校で、お金のかかる時期に年金だけでは生活費にほとんど消えていきます。少しでもこのご支援が私達や本人の支えになってくれると思います。

5月が誕生日で、今まで小さいオモチャのこいのぼりを出していたのですが、大きいのを出してほしいとねだられ、40年ぶりに出してみたのですが、黒の鯉は生地が劣化していて、最初は泳いだのですが、口輪の所で破れて使えません。赤と青と緑の大、中、小の鯉が何とか丈夫で、泳いでくれて安心しました。本人も泳いでいるのを見て喜んでいました。鯉のように元気に成長してほしいものです。

卒業家庭

『心に深く思ったこと』

 

 被害救援に携わって下さっている皆様、長きにわたり、心よりありがとうございました。夫が3人の子を残して殺害されたのは30年前でした。もう、とうに世間から忘れ去られた事件ですが、定期的に「ふれあい」が届けられ、心をあつくしてきました。しかし、近年、これに寄せられたお便りを読みますと、あまりに切なく、涙なくして、心の痛みなくして読むことができなくなりました。年齢を重ね、人を思いやることができるようになったからかもしれません。

 「ふれあい」を今迄、心よりありがとうございました。ここらへんで卒業させていただきます。

 地球をとりまく気候変動、国内外の社会情勢、AIの進歩に伴う悪用など、憂慮する材料は沢山ありますが、この世に生を受け、今こうして生きていられることに感謝し、大事に生きてゆこうと、今朝も心に深く思いました。

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