犯罪にあわれた被害者の遺児たちに幸せを

犯罪被害救援基金

理事長挨拶

ごあいさつ

 

 当基金は、昭和55年の犯罪被害者等給付金支給法成立に際し、衆参両議院で犯罪被害者の遺児に対する奨学金制度の創設等を促す趣旨の附帯決議がなされたことを受けて、翌56年5月に、国民の皆さまから寄せられた浄財を基に設立されました。

 設立以来、多くの皆さまから温かいご寄附を受け、犯罪被害遺児に対する奨学金の支給を中心とする救援事業を行ってまいりました。

 令和63月までに、2,211人の奨学生に、総額295041万円の奨学金を支給しております。

 奨学生のご家庭は、一家の生計を支えていた方が殺害され、あるいは重障害を負わされたために、学費の支弁が困難となっている方々です。夫を殺された妻が1人で子どもを育て、あるいは殺された方の両親が親代わりとなって残された子どもを育てている家庭が多くを占めます。突然の事件で家族を殺され、大きな悲しみ、苦しみの中にあって、経済的にも大きな困難を強いられ、子育てに当たっておられる方々の大変さは想像を絶するものがあります。

 奨学生となっている子どもたち自身も心に傷を負わされた被害者です。誰もが当たり前のように思っていた平穏な生活を突然に奪われたのです。その中にあって、学び、社会生活を営むことは、決して容易なことではありません。他の子どもと同じように見えるのは、本人の大変な努力の結果なのです。

 何の責任も落ち度もないのに困難を強いられている方々の経済的負担を少しでも減らし、犯罪被害遺児の方々の学業を応援したい、そして遺族の方々の孤立感を少しでも緩和したい、それが私たちの切なる願いです。

 皆さまには、これまでお寄せいただいたご支援に感謝申し上げますとともに、犯罪被害遺児とそのご家庭の置かれている状況が少しでも改善されるよう、一層温かいご支援の手を差し伸べていただきますよう、お願い申し上げます。

 

 

令和6年8月

公益財団法人犯罪被害救援基金
理事長 草刈 隆郎

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