犯罪にあわれた被害者の遺児たちに幸せを

犯罪被害救援基金

理事長挨拶

ごあいさつ

 

 当基金は、昭和55年の犯罪被害者等給付金支給法成立に際し、衆参両議院で経済的に困難な状況にある犯罪被害者の遺児等に対する奨学金制度の創設を促す付帯決議がなされたことを受けて、翌56年5月に国民の皆様から寄せられた浄財を基に設立されました。

 爾来、今日までの41年間、多くの篤志家からの温かいご寄附のおかげで犯罪被害者の遺児等に対する救援事業を継続・拡充することができ、令和5年3月末現在、計2,182人の遺児等に対し総額約288,745万円の奨学金を支給いたしました。

 これら奨学金の支給を受けた遺児等にみられる一番の特徴は、一家の生計を支えていた大黒柱が殺害され、あるいは重障害を負わされたがために、低所得労働に就いた母親もしくは年金生活者の祖父母に養育されているケースが多いことです。令和4年度の奨学生実態をみても、経済的困窮に直面しながらも全体の70%超の奨学生家庭では、兼業主婦の母親あるいは年老いた祖父母が、遺児たちの養育と教育に心魂を傾けておられます。

 ある日突然、無慈悲な凶悪犯罪によって想像だにしなかった不運な境遇に突き落とされたいたいけな多くの遺児たちですが、その後の艱苦に挫けることなく学業に励み、毎年、それぞれが元気に社会に巣立っていっております。

 私ども基金役職員一同は、何の責任も落ち度もないのに悲運に見舞われたこれら遺児たちが、同年代の子どもたちと同様に教育を受ける権利を等しく享受し、立派な社会人となって幸せな人生を歩んでほしいと心から願いつつ、これら遺児たちへの奨学金の給与事業をはじめとする犯罪被害救援事業に、今後とも誠心誠意取り組んでまいります。

 国民の皆々様には、これまでお寄せいただいた浄財に心から感謝申し上げますとともに、引き続き社会連帯共助の精神でもって、犯罪被害者の遺児等に温かいご支援の手を差し伸べていただきますよう、伏してお願いを申し上げます。

 

令和5年7月

 

公益財団法人犯罪被害救援基金
理事長 草刈 隆郎

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